博士後期課程・電子工学専攻

「人材の育成に関する目的」及び「教育研究上の目的」

20世紀の中頃から生まれた電子工学は,情報革命をもたらし,高性能なコンピュータを生み,インターネット社会の実現に中心的な役割を果たし,21世紀に入った今日も著しい発展を続けている。


本専攻は,電子工学の基礎となる物理学から電子工学全般わたる幅広い分野を教育研究の対象としている。このため本専攻では,マクロ系からミクロ系の中間のメゾスコピック系のデバイスや,またその物性研究に加え,先端材料の創製とナノテクノロジーにも注目して研究している。さらに,これらを高性能電子デバイスとしての活用やその応用技術に関する研究にも着目し,有線・無線通信に関する技術やネットワーク技術,計測・制御,信号処理における画像処理,脳波と脳磁界の計測とデータ解析,ロボット工学などの分野にもウエイトをおいて研究している。
これら研究分野にそって,当専攻では,素材開発の基礎となる「量子物性」,それに立脚した「先端材料」の創製,電子工学の中核をなす「電子・情報工学」の3分野で構成し,時代の要求に応える優れた技術者,研究者の育成を目指す。

 


研究分野の特色

「量子物性教育研究分野」

素粒子・原子の世界をひもとく量子力学,統計物理学,凝縮物質を解明する固体量子論,結晶学などにより,物質の性質を高度な立場から解き明かす理論を習得させるために必要な教育研究を行う。

「先端電子材料教育研究分野」

新規電子素子開発に結びつく機能設計や物質設計,創製された新規材料の評価,ナノ材料の開発など凝縮物質の基礎現象から様々な応用に至るまで,原子レベルからマクロにわたる観点に基づき,広範囲な学問的理解するとともに最先端技術を体得するために必要な教育研究を行う。

「電子・情報教育研究分野」

アナログ・デジタルデバイスの開発から,有線・無線通信システム,加速器から得られる放射光の活用,電子システムの構築,計測・制御システム,ネットワークシステム,信号処理における画像処理や脳波と脳磁界の計測とデータ解析,ロボット工学等,電子・情報工学の基礎技術からその応用に至る高度かつ幅広い教育研究を行う。


研究指導教員及び研究指導内容

量子物性教育研究分野

担当教員 研究内容
内田 正哉 教授
Ph.D.(総合研究大学院大学)
専攻分野
電子顕微鏡,ナノテクノロジー,量子物性材料
研究テーマ
ナノテクノロジーによる波動関数制御

「量子ドット」や「メタマテリアル」に代表されるように、ナノテクノロジーにより, 革新的な特性をもつ材料やデバイスがつくりだされてきた。これらはナノ構造体を用いて波動関数を人工的に制御したものと見ることができる。また、われわれが世界で初めて生成した「軌道角運動量をもつ電子ビーム」もその一つである。本研究室では, 最先端のナノテクノロジーを駆使し, 波動関数を制御することで、新しい量子現象の発見や革新的材料やデバイスの創生、新規材料分析方法の開発を目指している。

松田 智裕 准教授
理学博士(東京大学)
専攻分野
素粒子宇宙論
研究テーマ
1.初期宇宙論と統一理論の整合性に関する研究

String Theory, Brane, Large extra dimension とその周辺のモデルについて,宇宙観測を含む現象論的な問題点を解決していくことを目的とする。階層性の問題,インフレーション,バリオン数生成,ニュートリノ物理学,超高エネルギー宇宙線などのトピックスを扱う。


先端材料工学教育研究分野

担当教員 研究内容
巨 東英 教授
工学博士 (京都大学)
専攻分野
弾塑性力学
研究テーマ
1.材料創製プロセスにおける熱・力学的挙動
2.移動境界問題の研究
3.セラミックスと金属の接合技術の開発
4.溶射皮膜材の損傷評価に関する研究
5.スマート材料及びスマート構造の開発
6.構造物強度の遠隔検査技術の開発

航空・宇宙機器,エネルギー機器などの先端技術における材料は,多くの場合,構造材料としての軽量高強度・強靭性や機能材料としての優れた特性(例えば高温強度,異種材料の界面強度,耐腐食性等)とともに,様々な使用環境における高い信頼性が要求されている。このニーズに対応するために,先進材料を主な対象として,新しい材料設計・材料創製技術の開発,過酷環境下での構造材料の健全性の評価に関する研究を進めている。

古谷 清藏 准教授
工学博士(長岡技術科学大学)
専攻分野
プラズマ工学
研究テーマ
1.プラズマによる表層・表面の改質

鉄の表面を窒化して改質することにより硬度が上がるなど,表層・表面の改質技術は色々な分野で利用されている。本研究室では高周波プラズマで生成したイオンを加速して試料の表面に注入する表面改質の実験や,熱CVDによる薄膜形成などの実験により,高機能性材料の創成に関する研究を行っている。

石崎 博基 准教授
博士(工学)(大阪府立大学)
専攻分野
エネルギー制御工学、半導体デバイス工学
研究テーマ
1.高効率電力供給システムに関する研究
2.高効率色素増感太陽電池に関する研究
3.次世代パワーMOSデバイスの開発に関する研究

近年、エネルギー問題の観点から太陽電池、燃料電池等の再生可能エネルギーが注目されています。しかしながら再根可能エネルギーの使用により安定的に電力供給が困難であるといった問題があります。そこで本研究室では、安定的な再生可能エネルギーシステムの構築を目的として、半導体工学を駆使したエネルギー制御回路の構築、新規パワーMOSデバイスの研究開発ならびに新規発電機構の研究開発を行っています。


電子・情報工学教育研究分野

担当教員 研究内容
曹 建庭 教授
工学博士(千葉大学)
専攻分野
知能システム工学,信号処理工学
研究テーマ例
1.多変量データ解析の理論とアルゴリズムの設計に関する研究
2.脳波計測・解析に基づく脳死判定に関する研究
3.脳とコンピュータのインターフェースに関する研究

独立成分解析(ICA: Independent Component Analysis)と言う新しい手法が近年によく利用されている。この手法は,多変量の独立性に着目しているという視点から,従来の2次統計量を基づいた多変量データ解析の手法の発展である。また,ニューラルネットワークの学習の手法や適応信号処理の手法などに結びついていることから,音声・画像分解と復元などの処理だけでなく,脳のデータの解析,心理学のデータ解析にも応用されている。本研究室では,独立成分解析の原理,方法を中心にし,データ解析方法(信号処理の方法)を研究している。また,独立成分解析の特徴を活かしたモデルと推定システムの設計,計算理論と計算アルゴリズムを開発し,人間の視聴覚系の生理実験,脳波と脳磁界の計測,データ解析と評価,音源分離システムの構築などを総合的に研究開発する。

松井 章典 教授
学術博士(埼玉大学)
専攻分野
電磁波工学
研究テーマ例
1.平面アンテナの構成法の提案と放射特性の解析
2.高周波領域において多機能性を有する無線通信回路の研究

無線通信に用いられるアンテナは,その用途に応じて形態を変える必要がある。特に平面アンテナはロープロファイル性を有していることから様々な応用分野で用いられている。そこで,用途に応じた平面アンテナの構成法を提案し,その放射特性を実験と理論,さらにはコンピュータシミュレーションにより解明する。

吉澤 浩和 教授
Ph.D.(オレゴン州立大学)
専攻分野
アナログ集積回路工学
研究テーマ
1.高精度スイッチト・キャパシタ増幅回路に関する研究
2.低電圧動作CMOSオペアンプ回路に関する研究
3.低電圧動作電源回路に関する研究

自然界に存在する物理量(たとえば音声,映像等)はほとんどすべてがアナログ量である。これらのアナログ量とディジタル電子機器とのインターフェースはアナログ・ディジタルミックストモード回路が行っている。その結果ディジタル機器の特性は,アナログ回路の特性で左右される。また電子機器の小型化・軽量化が進むにつれて,より小さな乾電池や二次電池での回路動作が要求される。そのため,低電圧動作・低消費電力の集積回路のニーズが高まっている。本回路研究室では,低電圧・低消費電力・高精度をテーマに,CMOSアナログICの設計技術を研究する。

青木 恭弘 教授
工学博士(大阪大学)
専攻分野
光通信工学、レーザ工学、オプトエレクトロニクス
研究テーマ
1.光ファイバ通信の高度化に関する研究
2.次世代光通信技術に関する研究
3.レーザセンシング技術に関する研究

光ファイバ通信は、1970年代に低損失な光ファイバ、半導体材料による小型なレーザが実現されて以来、目覚ましく進歩し、現在では情報通信技術(ICT)社会のインフラストラクチャとして家庭にまで浸透している。本研究室では、スペクトル拡散などの新たな光変復調技術や、伝送性能の制限要因となる光ファイバ非線形光学効果、光雑音累積、多重反射の影響の補償および低減技術、将来方式とされている波長、容量、接続先などを自由に行える次世代光通信技術について研究を行っている。また、ICTの飛躍的な進歩により、現在では、インターネットにつながる機器も多種多様化、急速に増大しつつある。この研究室では、レーザ技術を応用した光センシング、データ・情報処理、遠方への通信技術に関する研究開発を行い、次の情報通信社会への発信、貢献を目指している。

佐藤 進 教授
博士(学術)(埼玉大学)
専攻分野
イオンビーム、マイクロ波、プラズマ工学
研究テーマ
1.イオンビーム応用に関する研究
2.マイクロ波液中プラズマに関する研究
3.マイクロ波応用に関する研究

電子レンジによる食品加熱に代表されるように、電磁波(高周波、マイクロ波)は、通信のみならず電力として、家庭のみならず産業界においても広く使われている。これらの電磁波応用の一つにプラズマがあり、プラズマは半導体製造には欠くことの出来ない技術となっている。本研究室では、こうしたマイクロ波応用、プラズマ発生技術を扱う。特に、液中にプラズマを発生させるマイクロ波液中プラズマは、世界的にも先端的な技術であり、今後の発展が期待されている。このような先端的な技術開発を題材にして、次世代を担う人材を育てることを目指す。


博士後期課程 授業科目

量子物性教育研究分野

授業科目

  • 量子物性特別研究
  • 量子物性特別講究
先端材料教育研究分野

授業科目

  • 先端材料特別研究
  • 先端材料特別講究
電子・情報工学教育研究分野

授業科目

  • 電子・情報工学特別研究
  • 電子・情報工学特別講究

 

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