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埼玉工業大学
先端科学研究所
内田研究室
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トピックス
2012- 2-25 内田正哉 准教授が「風戸賞」を受賞しました。
2012- 4-01 卒業研究生が配属され、卒業研究をスタートしました。
2012- 6-18
三菱財団自然科学研究助成に採択されました。
研究代表者: 内田正哉
研究題目: 軌道各運動量をもつ電子ビームの基礎研究 -新分野の創成を目指して-
2013- 2-01 名古屋大学との共同研究の成果が、国際誌原著
研究内容: 軌道角運動量をもつ電子ビームどうしを干渉させる実験により、 電子の軌道角運動
量と位置(あるいは並進運動量)の不確定性関係を世界で初めて明らかにしました。
2013- 3-26
上記の干渉に関する研究が、『日経サイエンス』 5月号で紹介されました。
2013- 4-01 卒業研究生5名が配属され、卒業研究をスタートしました。
2013-
8-08 日本物理学会 Journal of Physical
Society of Japan (JPSJ) の論文賞
「JPSJ Papers of Editors' Choice」 を受賞し、賞状を授与されました。
また、本研究成果は科学新聞でも紹介されました。
受賞対象論文:「Propagation Dynamics of Electron Vortex Pairs」
(
電子ビーム中に生成した2つの渦の伝播ダイナミクス)
2013- 8-14 研究成果が世界の物理学分野で最も権威のある米国物理学専門誌「Physical Review
Letters」に掲載されました。
掲載論文: 「Measuring the Orbital Angular Momentum of Electron Vortex Beams using a Forked Grating 」
(フォーク型回折格子を用いた電子ボルテックスビーム軌道角運動量の測定)
2013-11-25 内田准教授らは本学との協定校である中国遼寧科技大学を訪問し、講演を行ないました。
2014- 3-22 内田准教授らは、中国(北京・上海)で開催された「日中大学フェア&フォーラム
in
CHINA 2014」に
本学代表として参加しました。
2014- 4-01
卒業研究生10名 (情報システム7名、生命環境化学3名)
が配属され、卒業研究をスタートしました。
2014- 4-01 科研費 基盤研究(B) に採択されました。
(研究代表:内田、研究課題名:電子ビーム波動関数の操作による革新的ビーム制御技術の創成
)
2015- 4-01 卒業研究生名 (情報システム6名、生命環境化学2名)
が配属され、卒業研究をスタートしました。
2015- 4-01
科研費挑戦的萌芽研究に採択されました。
(研究代表:内田、研究課題名:中性子ボルテックスビーム生成法の開発 )
2015- 4-09 内田教授は、平成26年度の本学教育研究顕彰を
受賞し表彰されました。
2016-
1-29
世界で初めて、円環スリットを用いて電子ベッセルビームを生成することに成功しました。
(名古屋大学 齋藤グループとの共同研究)
(ナノ微細加工円環スリットによる非回折的性質をもつ電子ベッセルビームの生成)
in Journal of the Physical Society of Japan, Letters.
2016- 4-01 卒業研究生8名
(情報システム5名、生命環境化学3名) が配属され、卒業研究をスタートしました。
2016- 4-30 日本結晶学会誌に、解説記事 「軌道角運動量をもつ電子ビーム」 が掲載されました。
2017-
4-01 卒業研究生8名 (情報システム5名、生命環境化学3名) が配属され、卒業研究をスタートしました。
2017- 5-12
世界で初めて、多角形スリットを用いて電子格子ビームを生成することに成功しました。
この電子ビームは、非回折性とボルテックス(位相特異点)をもつことに加え、
"光格子”
のように、電子分布が格子状になっているのが特徴です。
今後、電子格子ビームを使った研究の進展が多いに期待されます。
(名古屋大学 齋藤グループとの共同研究)
掲載論文: 「Nearly nondiffracting electron lattice beams generated by polygonal slits」
(多角形スリットによって生成されたほぼ非回折な電子格子ビーム)
in Microscopy.
(※)本研究の推進には、内田研の卒業研究(江夏、小林君らによる光学シミュレーション)が役立ちました。
2018- 1-30
内田研 根岸先生の研究が論文になり Forma
に掲載されました。
掲載論文:
「Determining Parastichy Numbers Using Discrete Fourier
Transforms」
(離散フーリエ変換をもちいる連なり数の決定)
ひまわりなどのらせん構造を特徴づける「連なり数」
示しました。
2018- 4-01
内田教授が名古屋大学客員教授に就任しました。
2018-
4-01 科研費 基盤研究(B) に採択されました。
(研究代表:内田、研究課題名:電子ビームの軌道角運動量測定法の開発およびその応用研究)
2019- 10
東邦大学赤星先生らとの共同研究が論文になり掲載されました。
掲載論文:「The
Effect of R-Site Quenched Disorder on the Electronic Phase
Diagram
for
A-Site Ordered RBaMn2O6 (R =
Rare-Earth Elements)」
(Aサイト秩序 RBaMn2O6 (R
=希土類元素)の電子相図に及ぼすRサイト凍結無秩序さの効果 )
in Journal of the Physical
Society of Japan.
電子回折により、本系低温相が電荷/軌道整列状態にあることを明らかにしました。
2019-
11
世界で初めて、ダンマン型回折格子をもちいて、電子ビームの有する軌道角運動量スペクトルを
測定しました。
(名古屋大学
齋藤グループとの共同研究)
掲載論文: 「Efficient measurement of the orbital
angular momentum spectrum of
an electron beam via a Dammann
vortex grating
」
(ダンマンボルテックス回折格子による電子ビームの軌道角運動量スペクトルの効率的測定)
in Physical Review
Applied.
これまで電子ビームの軌道角運動量の測定をしていなかったので認識されていませんが、
ほとんどの電子ビームは軌道角運動量をもっているのかもしれません。本論文で提案する
軌道角運動量測定器によって、種々の系での軌道角運動量およびスペクトルが調べられ、
この問いが明らかにされることを期待しています。
2020-
7 科研費
挑戦的研究(萌芽) に採択されました。
(研究代表:内田、研究課題名:基板上で電子を操作する「電子チップ」の開発)
2021-
4
本学 生命環境化学科の長谷部教授グループとの共同研究を始めました。
掲載論文: 「Natural molybdenite-
and tyrosinase-based amperometric catechol biosensor using
acridine
orange as a glue, anchor, and stabilizer for the
adsorbed tyrosinase
」
ACS Omega, 6,
13719-13727 (2021).
2022- 3 4年生の卒業研究が国際誌論文となりました。
掲載論文: 「Molecular
dynamics investigation of a one-component model for the stacking motif
in
complex alloy structures
」
(複雑合金における原子積み重なり方に対する一元素モデルの分子動力学シミュレーション研究)
in J. Applied Cryst.
今成君(H28年度卒)、富田君(H30年度卒)、Yeh(現 内田研M2)らの努力の結晶です。
この研究はさらに解明しなければならないことを多く含んだ基礎的事柄なので、
別ページ
に研究背景を書いておきます。
2022- 4
名古屋大学斎齋藤グループとの共同研究が論文になり掲載されました。
掲載論文: 「Orbital
angular momentum-resolved convergent-beam electron
diffraction
by
the post-selected injection of electron beam」
(事後選択された電子ビームによる軌道角運動量分解収束電子線回折)
in Microscopy
軌道角運動量をもつ電子ビームを試料に入射し、収束電子線回折(CBED)
像を取得しました。
▶ 最近の研究テーマ
軌道角運動量をもつ電子ビームに関する基礎研究
人類は「電子」を利用し様々な機器を作りだしてきました。 「電子」が発見
されて100年以上経ちますが、 2010年、新しい性質をもつ「電子」が我々
の手によって人工的に作りだされました [*]。 世界で初めてとなるこの研究は、
ナノテクノロジーを使って、「電子」の波動関数を制御することで実現されました。
私たちはこの「電子」の特性を明らかにするための基礎研究を行っています。
▶
参考となる総説など(日本語)
『軌道角運動量をもつ電子ビーム』
内田正哉
「固体物理」 2012年2月号
(表紙に採用される)
『らせんスピン秩序の実空間観察』
内田正哉,小野瀬佳文,
松井良夫,
十倉好紀
「固体物理」 2006年5月号
(表紙に採用される)
『新しい原子の積み重なりかた』
内田正哉
「固体物理」 2002年10月号
(表紙に採用される)
◆ 『軌道角運動量をもつ電子ビーム
』
齊藤晃,
内田正哉
「日本結晶学会誌」 2016年58号
◆ 『らせん状の波面をもつ電子波の生成,
伝播, 干渉』
齊藤晃, 長谷川裕也,
内田正哉
「顕微鏡」 2013年48巻
◆ 『Aサイト秩序型ペロブスカイトの構造物性』
内田正哉, 赤星大介, 松井良夫,
十倉好紀
「日本結晶学会誌」 2004年46号
◆ 『カルコゲン系準結晶の合成および電顕構造解析』
内田正哉, 堀内繁雄
「日本結晶学会誌」 1999年41号
代表的原著論文
電子系
◆
“Generation of electron beams carrying orbital angular
momentum”,
M. Uchida and A. Tonomura, Nature 464,
737 (2010).
(世界で初めて,
「軌道角運動量をもつ電子ビーム」を生成しました.
これは,
電子の波面, すなわち波動関数を制御することで実現されました. 人工的に
作り出された「電子の新しい性質」を利用することで、革新的な電子顕微鏡を
始めとする新しい装置や新しい研究分野が創出されるものと期待されます.
)
スピン系
◆
“Real-space
observation of helical spin order”,
M. Uchida, Y. Onose, Y. Matsui, and Y. Tokura, Science
311, 359 (2006).
(世界で初めて, らせん磁性体におけるスピン配列を実空間で観察することに
成功し, スピンからなるドメイン構造や欠陥構造を見いだしました.)
格子系
◆
“A new stacking
motif: complex alloy structures interpreted as modulated structures”,
M. Uchida and Y. Matsui, Acta
Cryst . B56, 654 (2000).
(一つの単位胞に数百から数千もの原子を含む複雑な結晶構造をもつ合金系(複雑合金)
があります.本論文では, 一見複雑に見えるこれら複雑合金の構造が,実は,極めて簡単
な規則で原子が配列していることを発見し報告しました.本研究は準結晶の構造や起源を明
らかにする上で,極めて重要な手がかりになるものと考えられます. )
その他、
Physical Review Letters、Nature Materials、Applied Physics
Letters
など多数。