情報システム専攻 博士前期課程
「人材の育成に関する目的」及び「教育研究上の目的」
本専攻は、情報技術進歩を期待される中、情報工学、電子工学、ヘルスケア科学の三つの教育研究分野を対象にしている。専門知識を体系的に修得させるための講義科目、専門知識を使いこなすための演習・輪講・実験・研究科目を設ける。学生は、教育研究の課程において、シミュレーション実験技術やシステム構築技術及び試作技術を体験習得するとともに、理論と実践を結合して検討することになる。これによって、情報システム、知能システム、ネットワーク、電子通信システム、ヘルスケア科学などの分野において、幅広い視野と高度な専門知識を有する人材を育成する。
研究分野の特色
情報工学研究分野
電子工学教育研究分野
ヘルスケア科学教育研究分野
研究指導教員及び研究指導内容
情報工学教育研究分野
氏名 | 職位 | 研究テーマ例/研究指導内容概略 |
橋本 智己 Hashimoto Tomomi 博士(工学) (宇都宮大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
少子高齢社会を迎え、機械システムによる支援が期待されている。本研究室では、家庭環境で人間と共に生活し人間を支援する自律ロボットや生活支援ロボットの開発を進めている。 |
渡部 大志 Watabe Daishi 博士(理学)(東北大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
研究指導内容概略 ネット上での決済や金融機関の端末などで個人認証が必要な場面が増えた。通常、個人証にはパスワードが利用され、普通に生活していても数多くのパスワードを管理しなくてはならなくなった。管理の問題から一度漏れてしまえば他人の「なりすまし」が可能であり危険である。そこで、盗難、紛失、漏洩の恐れのない、本人だけがもつ特徴を利用し個人を認証する生体認証技術が注目を集めている。当研究室では顔と耳の認証の研究をおこなっている。 |
井上 聡 Inoue Satoru 博士(工学)(電気通信大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
人工知能(AI)の研究分野では大量のデータから規則性、法則性、入力データと出力データの関連性を導き出し利用する機械学習という分野がある。その手法のうちで生物がもつ脳内の情報処理機構を模倣して計算理論として構築されたニューラルネットワークを用い、私たちの生活をより便利にする方法について多方面に向けて研究している。特に労働者や後継者不足が深刻化している産業である農業を支援する方法や、障碍者の日常生活を支援する方法を検討している。 |
鯨井 政祐 Kujirai Masahiro 博士(工学)(埼玉大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
コンピュータのコモディティ化に伴い、誰にでもわかりやすいユーザインタフェイスはますます重要になっている。本研究室では、拡張現実感、物理センサ、タッチパネル、スマートフォンなどを用いて、直感的で人にやさしいユーザインタフェイス/インタラクションを研究している。 |
中村 晃 Nakamura Akira 工学博士(慶応義塾大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
家電・オーディオビジュアル機器・情報通信機器といった電気機器や乗り物・ロボットのような産業機械は、システム制御理論と深い関連がある。この“制御”という言葉は対象となっている物を希望通りに動かすことを意味し、その技術は絶えず進歩し続けている。本研究室では、現代の電気機器や産業機械を制御するのにふさわしい最新の手法を研究している。 |
前田 太陽 Maeda Taiyo 博士(理学)(金沢大学) [詳細] |
准教授 | 研究テーマ例
特別な知識やスキルがなくとも利用できるコンピュータシステムである問題解決環境の構築と、アプリケーションに必要となる、可視化、分散・並列計算による作業効率化の研究を行う。計算科学と計算機科学がより融合した支援システムの構築を目指す。 |
村田 仁樹 Murata Masaki 博士(理学)(京都大学) [詳細] |
講師 | 研究テーマ例
今、人工知能は産業や学術の様々な場面で活躍している。そして、最近の人工知能はディープラーニングという手法によって支えられている。この研究室では、ディープラーニングについて「ディープラーニングを様々な分野へ応用する」という目的と「ディープラーニングの判断根拠を明らかにする」という目的で研究している。 |
電子工学教育研究分野
氏名 | 職位 | 研究テーマ例/研究指導内容概略 |
松井 章典 Matsui Akinori 博士(学術)(埼玉大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
無線通信に用いられるアンテナは、その用途に応じて形態を変える必要が ある。特に平面アンテナはロープロファイル性を有していることから様々な応用分野で用いられている。そこで、用途に応じた平面アンテナの構成法を提案し、その放射特性を実験と理論、さらにはコンピュータシミュレーションにより解明する。 |
松田 智裕 Matsuda Tomohiro 理学博士(東京大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
素粒子・宇宙論・物性の3分野で場の理論を基礎とした理論的な研究を行う。近年は上記の3分野を横断する研究が盛んに行われており、トポロジーやエンタングルメントエントロビーなどがその代表例である。String Theory、 Brane、 多次元の場の理論、凝縮系の物理学とその周辺について、数理的な問題や宇宙観測、物性を含む現象論的な問題点を解決していくことを目的とする。 |
曹 建庭 Cao Jianting 博士(工学)(千葉大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
複数話者の会話から収録した混合音声を個別の音声信号に復元する問題や、脳波や脳磁界の記録から個別な活動信号源の抽出と脳内情報を可視化する問題を、これまでの信号処理の技術で解決するには困難なところが多い。このようなニーズに応じるため、先端的な信号処理の理論と技術の研究開発が要求されている。本研究室では、近年提唱されている独立成分解析(ICA)と呼ばれている新しいブラインド信号処理の方法を中心にし、従来の信号処理の方法との関係と両者の違いを理解し、その優位性や問題点について考える。また、ブラインド信号処理の特徴を活かしたモデルと推定システムの設計、計算原理、シミュレーションなどの基本技法を習得する。更に、人間の視聴覚系の生理実験、脳波と脳磁界の計測、データ解析と評価、音源分離システムの構築などを総合的に研究開発する。 |
吉澤 浩和 Yoshizawa Hirokazu Ph.D.(オレゴン州立大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
自然界に存在する物理量(たとえば音声、映像等)はほとんどすべてがアナログ量である。これらのアナログ量とディジタル電子機器とのインターフェースはアナログ・ディジタルミックストモード回路が行っている。その結果ディジタル機器の特性は、アナログ回路の特性で左右される。また電子機器の小型化・軽量化が進むにつれて、より小さな乾電池や二次電池での回路動作が要求される。そのため、低電圧動作・低消費電力の集積回路のニーズが高まっている。本回路研究室では、低電圧・低消費電力・高精度をテーマに、CMOSアナログICの設計技術を研究する。 |
内田 正哉 Uchida Masaya Ph.D.(総合研究大学院大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
「量子ドット」や「メタマテリアル」に代表されるように、ナノテクノロジーにより, 革新的な特性をもつ材料やデバイスがつくりだされてきた。これらはナノ構造体を用いて波動関数を人工的に制御したものと見ることができる。また、われわれが世界で初めて生成した「軌道角運動量をもつ電子ビーム」もその一つである。本研究室では, 最先端のナノテクノロジーを駆使し, 波動関数を制御することで、新しい量子現象の発見や革新的材料やデバイスの創生、新規材料分析方法の開発を目指している。 |
古川 靖 Furukawa Osamu 博士(工学)(東京農工大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
レーザーを用いた光波センシングは、電気信号よりもはるかに高い周知数において位相の揃った光を利用するため、最も正確な計測手段として活用されてきた。特に、光ファイバーをセンサケーブルに用いると、温度、ひずみ、音響などの物理現象を遠隔地から検出することが可能になる。こうしたリモート光計測システムで測定対象の状態診断をするにあたり。検出した物理量の判定方法によっては誤検知を生じうるという課題があった。本研究室は、物理量をAIによって情報解析し、利用者にとって価値のある情報を得ることを目指す。 |
藤田 和広 Fujita Kazuhiro 博士(工学)(北海道大学) [詳細] |
准教授 | 研究テーマ例
電気・電子機器の製品開発では、複雑な構造や回路を含む系の電磁気現象をコンピュータ上で模擬し、その特性を予測することが必須となっている。電磁気の問題を解くための数値計算技術は、電磁場解析として知られており、産業分野から先端科学分野まで広く使われている。本研究室では、機器設計の効率化や電子機器における電磁雑音発生機構の解明に貢献すべく、電磁場解析技術の高度化とその応用に関する研究を行う。 |
伊丹 史緒 Itami Fumio 博士(工学)(芝浦工業大学) [詳細] |
准教授 | 研究テーマ例
信号システム理論において、フーリエ変換やDCT、ウェーブレット変換などは、信号解析の一手法として位置づけられる。本研究では、各種の変換を包括的に表現できるフィルタ・マルチレート処理を用いた、信号解析のためのシステムに関する研究を行う。異なった形態の信号を処理できるシステムや、サンプリングレート変換とフィルタを組み合わせたシステム等に関する定式化とシミュレーションを行う。また応用としては、音声や画像等の処理が挙げられるが、ここでは二次元信号である画像への応用、特に画像圧縮技術や認識処理、解像度変換への応用に関して議論する。 |
ヘルスケア科学教育研究分野
氏名 | 職位 | 研究テーマ例/研究指導内容概略 |
大坪 茂 Ohtsubo Shigeru 博士(医学)(東京女子医科大学) 専攻分野:血液浄化療 |
特任教授 | 研究テーマ例
東都大学関連の医療施設の多くは、血液透析療法を行っており、血液透析に関する研究をしている。例として、間歇補充型血液透析濾過 (I-HDF)や透析患者の生活科学など、血液浄化療法に関する臨床的な研究に取り組む。 |
湯舟 邦子 Yubune Kuniko 博士(看護学)(東京女子医科大学) 専攻分野:助産学、看護学 |
特任教授 | 研究テーマ例
妊娠期から産後の女性とパートナーのストレスや抑うつ状態の実態をいかに詳細に具体的に把握できるかというツールの開発に着目している。近年の社会環境の変化や国の施策による生活環境の変化からの影響も取り入れた支援を考えていきたい。 思春期から老年期までの女性が健康的な生活を維持するための身体機能のあり方、精神構造のあり方を考える。 |
山下 和彦 Yamashita Kazuhiko 博士(工学)(東京電機大学) 専攻分野:医工学、情報通信工学、高齢者福祉工学 |
特任教授 | 研究テーマ例
ICTを用いたメディカル、ヘルスケア、Wellbeingに着目した支援システム、計測システムの開発に着目している。開発するだけではなく、研究フィールドで実践的に導入し、評価指標とエビデンスの構築までを行う。ヒトが得意とすること、システムの役割、人間の行動の変化までを視野に入れ研究を行っている。 |
河江 敏広 Kawae Toshihiro 博士(保健学) (広島大学) 専攻分野:リハビリテーション医学、理学療法学、運動生理学 |
特任准教授 | 研究テーマ例
運動は医学の中において一治療手段として認識されている。その一方で,運動中の生体反応は明らかにされていない点が多い。当研究室は未だ解明されていない運動時の生体反応を明らかにしつつ,その成果を健康増進ならびに各疾病に対する重症化予防に応用することである。 |
高橋 朝歌 Takahashi Asaka 博士(農学)(東京農工大学) 専攻分野:食品化学、食品機能学 |
特任准教授 | 研究テーマ例
漬物は日本の伝統的な加工食品のひとつである。漬物の主要な原料であるアブラナ科野菜を中心に、有用成分の分析や機能性の解析、漬物製造過程における成分変化について研究している。 |
久米 絢弓 Kume Ayami 博士(ヒューマンケア科学)(筑波大学) 専攻分野:公衆衛生学、看護学 |
特任准教授 | 研究テーマ例
世界的にも不健康な生活習慣によって引き起こされる疾患が増加し、生活習慣病は重大な課題となっている。日本でおこなわれている保健指導の有用性を示し、特に研究では在日外国人への健康や保健行動に合った保健指導を検討している。公衆衛生の視点でヘルスプロモーションのための手法を考え、健康課題の解決に取り組んでいる。 |
遠藤 悠介 Endo Yusuke 博士(保健医療科学)(茨城県立医療大学) 専攻分野:バイオメカニクス、リハビリテーション工学、スポーツ医学 |
特任講師 | 研究テーマ例
モーションキャプチャや表面筋電図などの身体計測技術を基盤とした、ヒトの身体運動の解析研究を行う。また身体運動解析を用いて、人工筋肉素材を利用した支援機器の開発と効果検証や、アスリート特有のスポーツ外傷の受傷メカニズムに関する研究を行っている。 |
長谷部 靖 Hasebe Yasushi 薬学博士(東北大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
酵素タンパク質に代表されるバイオ分子の優れた物質識別能力や触媒能力を工学的に応用し、電気化学デバイスと組み合わせたバイオセンサーやバイオ発電デバイスの開発を行っている。具体的には、汗・涙・唾液などの非侵襲的な生体サンプル中のさまざまな疾病マーカーを日常生活の中で継続的に分析する身体装着型バイオセンサーの開発、および、バイオマスの有効利用の観点から、地元農産物の非食部、食品廃棄物、家畜の排泄物などを炭化処理して得られる「バイオマスカーボン」を電極材料として利用する酵素型バイオ燃料電池および自己発電式バイオセンサーの開発、に関する基礎・応用研究を行っている。 |
長井 力 Nagai Chikara 博士(工学)(秋田大学) [詳細] |
教授 | 研究テーマ例
人間と協調して作業を行うロボットや自動機械システム、パワーアシスト装置等を、より使いやすく使用者にとって負担の少ないシステムとすることを目的とした人間-機械システムの研究を行っている。人間の持つ構造や運動特性を計測・解析し、身体の構造や運動制御のしくみを機械システムへ応用する。得られた知見を、医療福祉機器や人間アシスト装置、新たな原理によるセンサやロボットの開発、スポーツ工学等へ応用する。分野横断型研究に取り組み、医療機関等の外部機関との共同研究を行いながら成果の実用化を進める。 |
授業科目
情報工学教育研究分野
- 知能ロボット工学特論
- メディア工学特論
- フィジカルコンピューティング特論
- 神経情報処理特論
- ネットワークコンピューティング特論
- 深層学習特論
- システム制御特論
- 情報工学特別演習Ⅰ~Ⅳ
- 情報工学特別輪講Ⅰ~Ⅳ
- 情報工学特別実験Ⅰ~Ⅳ
電子工学教育研究分野
- 電磁波工学特論
- 熱・統計物理学特論
- 集積回路工学特論
- ナノ材料工学特論
- 光波センシング特論
- 回路システム工学特論
- 電磁気学特論
- 電子工学特別演習Ⅰ~Ⅳ
- 電子工学特別輪講Ⅰ~Ⅳ
- 電子工学特別実験Ⅰ~Ⅳ
ヘルスケア科学教育研究分野
- 生命維持装置特論
- 健康と社会環境特論
- ヘルステック特論
- 公衆衛生学特論
- 認知インタフェース特論
- 食品学特論
- 運動生理学特論
- リハビリテーション工学特論
- ヘルスケア科学特別演習Ⅰ~Ⅳ
- ヘルスケア科学特別輪講Ⅰ~Ⅳ
- ヘルスケア科学特別実験Ⅰ~Ⅳ
情報システム専攻・共通
- インターンシップ