主に有機化合物の定性・定量を目的とし、ガスクロマトグラフ(GC)の検出器として質量分析計(MS)を付加した装置です。 GCで混合物を分離し、MSの検出器により質量分析を行い、物質の構造解析又はごく微量領域での定量分析を行います。 GCで測定可能な、揮発性の有る物質に適用されます。
主に有機化合物の定性・定量を目的とし,液体クロマトグラフ(LC)の検出器として質量分析計(MS)を付加した装置。 LCで混合物を分離し、MSの検出器により質量分析を行い、物質の構造解析又はごく微量領域での定量分析を行います。 移動相は揮発性の溶液を使用する必要があり、使用できる緩衝液やイオン対試薬に制限があります。しかしながらガスクロマトグラフで測定し難い、難揮発性試料に適用可能です。
核磁気共鳴(NMR)装置は、強い磁場の中に試料を置き、核スピンの向きを揃えた分子にパルス状のラジオ波を照射し、核磁気共鳴させた後、分子が元の安定状態に戻る際に発生する信号を検知して、分子構造などを解析します。
核種は1H, 19F, 13Cの観測が可能。
その他、DEPT, 2次元NMR等の測定が可能。
レーザー光を物質に照射すると、物質の分子振動によるドップラーシフトにより、入射波長からずれた波長が散乱されます。このシフトした波長とその強度を測定するのがラマン分光法です。分子振動による構造解析は赤外分光法がありますが、ラマン分光法はこれと相補的な関係にある情報が得られます。適用範囲は、電池、電子デバイス、バイオ分野など多岐にわたりますが、特にDLCなど炭素材料の解析では、無比といえるほど様々な情報が得られます。
物質の単結晶(0.2mm角程度)にX線を当てると、回折現象によりX線が四方八方に散乱します。この回折X線の放出される角度と強度を精密に測定し、コンピュータで計算すると、結晶中の個々の原子の相対位置が分かります。主に分子の「形」を原子レベルでとらえる目的で使用されます。
1~4ミリグラム程度の試料を燃やし、発生する二酸化炭素、水、窒素の量から元の試料における炭素、水素、窒素の含有量を決定する装置です。構成を変えるとイオウないし酸素の含有量も測定できます。
右手とその鏡像である左手は互いに重ね合わせることはできません。分子も同様に自身とその鏡像体を重ね合わせる事が出来ない立体構造(不斉中心)を有するものが存在します。 これらの分子は光学活性(偏光性)を示します。
一方で、不斉中心が複数存在する医薬品を初め、タンパク質、核酸、糖鎖、などの生体高分子、および化学合成された機能性分子は、どの様な立体配置(立体構造)を持つかで、薬理活性を始めとするさまざまな生理機能が大きく異なることが知られています。
本装置は、物質が示す光吸収が左右の円偏光で異なる現象(円二色性CD)を利用し、その光学活性(偏光性)を測定することで、タンパク質の二次構造を推定することができます。また、有機化合物の構造解析、薬理活性、および小分子とタンパク質の結合相互作用解析にも用いられます。
試料にX線を照射することによって生じる回折現象を用い、結晶構造の同定や結晶構造解析を行うことができます。その他、付属のソフトウェアにより、結晶化度評価、結晶子サイズ/格子歪評価、格子定数の精密化などが可能です。
ひとつの試料で示差熱分析と熱重量測定が同時に行える装置です。試料の転位温度や融点、反応温度などの熱的性質を知ると共に、熱的な変化が重量の変化を伴っているかどうかを同時に測定することができます。すなわち、熱的な変化が吸着や分解などの化学的な変化によるものか、融解などの物理的な変化によるものかを一回の分析で知ることができます。