前所属機関(産業技術総合研究所)において行ったロボットに関する主な研究課題と概要


(1-1) 産業用ロボット


 ・ 生産システムの自動化

製造業における IoT プラットフォームの構築には、生産工程の自動化を図るファクトリー・オートメーションの高度化が鍵になっています。しかしながら、人が日常扱うような一般物体の操作をロボットハンドで行うことは容易ではありませんし、製造業で活躍するロボットであっても組立作業等の完全な自動化は非常に難しいことです。そのような難易度の高いマニピュレーション作業を容易にする研究を行ってきました。


 「高度モジュール型生産システム技術」 (1992年4月〜1994年3月)
 「階層化技能による高度行動系の研究」 (1994年4月〜1996年3月)
 「ツール指向マニピュレーションの研究」 (1996年4月〜1997年3月)
 「集合知ロボティクス」 (2009年4月〜2010年3月)
 「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト(NEDO) 」 (2009年4月〜2012年3月)
 「次世代ロボット中核技術(NEDO) 」 (2016年4月〜2018年3月)


 ・ 多品種少量生産・セル生産ロボット

工場における製品の生産はこれまで少品種大量生産が主流でしたが、近年になって消費者のニーズにきめ細やかな対応ができる多品種少量生産型の製造設備にも注目が集まっています。特に、多品種少量であっても生産効率の低下を防止するセル生産方式の要望が高まっており、このような従来とは異なる生産設備の中で活躍するロボットの基盤技術を開発しきました。


 「多品種少量生産の自動化へ向けたロボット技術」 (2013年4月〜2014年3月)
 「全自動セル生産システム実現へ向けた基盤研究」 (2014年4月〜2015年3月)

  
  

(1-2) メンテナンス・リペアロボット


 ・ 原子力ロボット

発電所には火力・水力・原子力・太陽光・風力・地熱等様々な種類がありますが、そうした発電施設では常に安定した電力供給を確保するために保守点検や修理などの保全作業が欠かせません。下記研究課題では、国の大型プロジェクト「極限作業ロボット」(通商産業省工業技術院)(1983年4月〜1991年3月)の研究対象であった原子力ロボットをモデルとして、発電プラントのメンテナンスやリペアを行うロボットの研究を行いました。


 「原子力ロボットの実環境行動計画技術に関する研究」 (1993年4月〜1998年3月)
 「原子力ロボットの実環境作業構成技術に関する研究」 (1998年4月〜2003年3月)
 「原子力ロボットの実環境技能蓄積技術に関する研究」 (2003年4月〜2008年3月)

原子力発電所や核燃料再処理施設の内部に実際に入り、実物を見ることによって本当に必要な作業を抽出し、研究所に同じ作業ができる模擬環境を作り開発を行いました。


 ・ 宇宙ロボット

軌道上サービスは、宇宙デブリ対策のような宇宙環境保全のための通信衛星システムの一部として大きな役割が期待されています。その中の一つとして軌道上サービスロボットが開発されており、衛星を軌道上で検査・修理することが想定されています。下記研究課題ではそのような宇宙ロボットの先駆的な研究を行いました。


 「宇宙情報通信システムの軌道上保全技術の研究」 (1998年4月〜2002年3月)

技術試験衛星 VII 型 ( ETS-VII ) (おりひめ・ひこぼし) (1997年〜2002年) で行った高機能ロボットハンドの宇宙実証と連動させて行った研究課題です。


 ・ 家電・家庭用品メンテナンス・リペアロボット

3R(Reduce, Reuse, Recycle)政策のように資源を有効利用し廃棄物を減らすことは環境問題を考える上でとても重要です。家電リサイクル法(経済産業省、環境省)の施行に見られますように、日常使う家電製品や家庭用品は使い捨てから再利用の時代へと変化しつつあります。それゆえ、壊れたそれらの製品を修理する場で活躍するロボットの需要が増していくものと思われます。計算機や音響・画像機器等の電気製品を第一の対象に、メンテナンス・リペアロボットの先導的な研究を行ってきました。下記研究課題はそのための第一歩となるものです。


 「高度なマニピュレーション作業における失敗からの回復技能の解明(科研費 基盤研究(C))」 (2015年4月〜2018年3月)

リペアロボットが行う作業においては、失敗が発生し易い非定型の高度なマニピュレーションを多用します。失敗が起きたときの効率的な回復プロセスの解明のために、失敗原因の推定や分類法について研究を行いました。

  
  

(1-3) 生活支援ロボット


 ・ サービスロボット

生活支援ロボットは人の日常生活を支援するロボットとして近い将来の実用化が期待されています。しかしながら、そうした対人サービスロボットは、必要とされる作業が単純な繰り返し動作の連続ではなく、かつ、作業を行う環境や操作を行う対象物も常に同じというものではなく、非常に高度なロボット技術を要します。そのような生活支援ロボットのための要素技術の研究開発を行ってきました。


 「対人サービスロボットの開発」 (2007年4月〜2009年3月)
 「生活支援ロボット技術のモデル化に関する研究」 (2010年4月〜2012年3月)

  
  
  
  
  
  

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