撮影協力者:星 匠美 君 (当時学部2年生).
熱力学的平衡状態におけるキューブ状磁性粒子分散系を対象として材料表面上における粒子の凝集形態の内部構造をモンテカルロ法を用いて検討した.キューブ状粒子は互いに面接触をすることにより密な凝集体を形成する.系内に大きな凝集体を形成しない粒子間磁気力の状況下であった場合でも,磁場の強さが増加するにつれて粒子の磁気モーメントが磁場方向に拘束され,磁場方向に沿った細長い凝集体へと成長する.なお,2次元系におけるキューブ状磁性粒子分散系を対象としたシミュレーションでは,キューブ状粒子の底面が材料表面に接している状況下での物理現象を取り扱っている.キューブ状粒子は対角線に沿って磁化されているモデルを採用している.
熱力学的平衡状態におけるキューブ状磁性粒子分散系を対象として粒子の凝集形態の内部構造をモンテカルロ法を用いて検討した.キューブ状粒子は互いに面接触をすることにより密な凝集体を形成する.また,外部磁場の影響により,面接触を有する密な凝集体は崩壊し,ずれた面接触を有する凝集体が再形成される.このような凝集形態の内部構造の変化が流れ場の状況下で生じさせることができた場合,キューブ状磁性粒子特有の磁気粘性効果が得られる可能性がある.3次元系で得られる凝集形態の内部構造は複雑であるが,2次元系で観察されたクラスタが基本となっていることがわかる.
振動および回転磁場中におけるキューブ状磁性粒子分散系の凝集形態の内部構造の変化をブラウン動力学シミュレーションにより検討した.時間に依存する磁場中において磁性粒子分散系は発熱特性を示すため,ガン細胞を死滅させるための磁気温熱療法への応用が期待される.
棒状粒子の沈降過程においてどのような挙動により汚濁物質を吸着するのか,すなわち重力場中での吸着物質と汚濁物質の挙動の解明を試みるシミュレーション的研究を推進している.本研究は小規模な河川・湖沼の透視度改善技術への応用を念頭に置いている.